離乳食によるアナフィラキシーショックは、突然やってくる。
我が家の長女は、生後10ヶ月のときにベビーヨーグルト(乳製品)でアナフィラキシーショックになりました。
- アナフィラキシーショックの原因
- アナフィラキシーショックが出た時の症状
- 発症後の経過
実際に体験したアナフィラキシーショックの様子を詳しくご紹介します。
私の不甲斐ないダメダメな対応と、どのように感じたかなども合わせて書いていきます。

- 必要以上に怖がる必要はないこと
- 初めての食材は11時前にあげるのがベスト
- 救急車を呼ぶのに迷う必要はない
私の甘い考えが原因で長女を危険にさらしてしまったので、他に同じような失敗をする方が1人でも減るようにと願います。
離乳食でアナフィラキシーになる前の様子でも多少分かる
自分の子供に限ってアレルギーはないだろうと思い、初めは慎重にあげていた離乳食も、だんだん初めて食べるものでも、普通にあげるようになりがちですよね。
特に、2人目、3人目となってくると、忙しさもあって、「大丈夫だろう」という気持ちが大きくなり、離乳食の進め方も大雑把になりがちです。
アナフィラキシーショックになる原因は、そういった『たぶん大丈夫だろう』という危機感の無さが1つの原因になっています。



食物アレルギーの兆候
長女は、生後5か月のときに、10倍粥をあげていたら、顔中に赤い蕁麻疹のようなものが出てたことがあります。
血液検査の結果、お米のアレルギーは稀で、長女もお米のアレルギーはありませんでした。
おかゆが手や顔に付いて、刺激になったことが原因だろう。
食べ物の刺激によるものだったということで、食べる前に口の周りにワセリンを塗って、肌を保護するよう指導されました。
お米のアレルギーが無くて安心したのもつかの間。
他の項目にアレルギーが有ることがわかり、ショックを受けました。
食物アレルギー血液検査の結果
両親ともにアレルギーがなかったので、きっと子供もないだろうとなんとなく思っていたところに、ハンマーで頭を殴られるような衝撃的な血液検査の結果でした。
卵と牛乳にアレルギーがあったのです。
どちらもクラス3という結果でしたが、どれがどれほどのレベルなのかもピンときません。
小児科の先生からは、「完全除去はあまり良くないから、様子見ながらすこしづつあげてみてください」と言われていました。



そうなんです。
素人からすると、何をどれくらいあげていいのか分からないので、本当に困りました。
それでも、むやみに除去する方がかえってよくないということが、最近の研究で分かってきたという話を聞き、乳製品は食べやすいヨーグルトで試してみようと考えていました。
これが、そもそもの間違いの始まりだったんです。
離乳食で急にアナフィラキシー発症
アレルギーがあることを知ってからは、離乳食の食材にかなり気を使うようになりました。
それでも、少しずつでもあげなければなりません。
食パンを少しづつ量を増やしていって、あげるなど試しながらあげていきました。
そんなある日突然、アナフィラキシーショックはやってきたのです。
ベビーヨーグルトをあげたら体調が急変
ある平日のお昼ごはん。
胃腸炎が治って3日目だったので、「お腹に優しいし、胃腸の調子も整えてくれる」と思い、ベビーヨーグルトを準備していました。
初めて食べるので、初日は赤ちゃんスプーンの1/3ほどをひと口。
何も問題なく食べて、その後元気に過ごしました。
次の日は、赤ちゃんスプーン1/3を時間を置いてふた口。
その後は、いつも食べているおかゆなどを食べていたのですが、だんだん食べなくなり、泣き始めて、あげようとしても嫌がって泣くばかり。
ご飯は止めて、泣いているからと思い授乳することにしました。
ヨーグルトを食べてから15分経過
初めはおっぱいをごくごくいつも通り飲んでいましたが、5分ほどして、やっぱりまた泣き始めました。
よく見ると、目や口の周りに赤みができ、湿疹のようなものが出てきていました。
もしかすると、アレルギーの症状が出てしまったのかもしれない。
少し焦りましたが、前にも、おかゆを食べた時に顔に赤みが出て、しばらくしたら消えたので、今回も赤みや湿疹が出て、しばらくすれば落ち着いてくれるだろうと判断しました。
ヨーグルトを食べてから30分経過
抱っこで様子を見ながら、あやしていても、やはり様子がおかしい。
赤みがひくどころか、湿疹が広がってひどくなってきて、呼吸も少し荒くなってきたので、これはただ事ではない。
急いで小児科へ連れて行こう。
まずは連絡をして救急だと伝えようと電話したら、かかりつけの小児科が午後休診日。
前日にひとさじ食べて大丈夫だと思って安心してしまい、小児科の診察時間の確認をまず怠っていたのです。
バカなミスのせいで、この連絡や確認作業で5分ほど経過。
焦って手元は震える始末。
その間に、娘は抱っこしてるのも大変なくらい、泣き叫んでいます。
私は、完全にパニック状態。
そうだ!万が一何かあった時のために、冷蔵庫に救急電話相談の紙貼ってた!
と、思い出し、駆け寄って見てみると、
『#8000 小児救急電話相談 毎日 夜7時~翌朝8時』
どうしよう夜しかやってない!
どうしよう どうしよう どうしよう。
もうこれは、救急車を呼ぶべきか?!
そう思った時に、苦しくて暴れるほど動いていた娘が、気絶するようにパタッと動かなくなりました。
「え?!」
もう頭が真っ白です。
よく見ると、スースーと寝息をたてて、静かに寝ています。
呼吸も乱れていません。
何が起きたのか分からないけど、落ち着いたのか??
でも、まだ油断はできません。
また、症状が進行するかもしれない。
ヨーグルトを食べてから45分経過
容体が落ち着いた様子でしたが、すぐに、救急医療情報センターへ連絡してみました。
※当時は名古屋在住でしたので、ここからご紹介する医療機関・連絡先は名古屋市に関連するものとなります。
24時間体制で病院の情報を教えてくれる相談窓口です。
娘の状態を伝えたところ、
「そういう時は、すぐに救急車を呼んでもいいんですよ」
と担当の方に言われて、「娘は、救急車を呼ぶような状況だったのだ」と思い至りました。
あまりにパニックになりすぎて、早く病院へ連れて行かなきゃいけないという焦りが前面に出てしまい、当たり前に『すぐに救急車をよぶ』ことができていませんでした。
多少「この症状で救急車を呼んでもいいのか?」という迷いもありました。
今思い出しても、1人でパニックになって、判断に迷ったとはいえ、当たり前のことができなかった自分が本当に情けなく、恐ろしいです。
救急医療情報センターからは、診療中のアレルギー科のある小児科を教えてもらい、早速経緯と現在の容態を伝えると、「本人が起きてからでいいので、病院へ来てください」とのこと。
本当に起きてからでも大丈夫なのか?という不安はありましたが、様子をみながら寝かせていました。
2時間ほど経ってから、起きた娘は、顔が腫れて、まぶたはパンパンでした。
アナフィラキシーの症状によくある症状と書かれていたので、完全に今回はアナフィラキシーだと確信しました。
それでも、笑顔を見せてくれて、この時ようやくホッとしました。
小児科での診察結果
病院へすぐ連れて行ったら、受付の方が看護師の人に「アナフィラキシーの患者さん来ました」と言っており、その時初めて「アナフィラキシー」という言葉を実際に耳にして、あまりに自分とかけ離れた言葉が自分に降りかかっていることに、打ちのめされました。
先生の診察でヒアリングされた内容は、以下の4点でした。
- ヨーグルトをあげた様子
- 過去のアレルギー症状の有無
- 過去のアレルギー検査結果
- 最近の健康状態
- 乳製品による即時型アナフィラキシーショック
- 症状は落ち着いており、あとは飲み薬を飲んで経過観察
- 胃腸炎を数日前に患っていたことが、症状を重くした
- 今後も除去はせず、少しづつ様子をみながらあげて良い。
今回アナフィラキシーになるに至った1番の原因は、胃腸炎になった後だったこと。
元気な時だったら、そこまでひどい症状は出なかっただろうと言われました。
ザイザルシロップを処方されて、1週間ほど飲み続けていたら、顔の腫れもひいて、また元気に遊べるようになりました。
身体の発疹がひどかったり、気管狭窄などのようなもっと重症な症状が出ていたら、点滴をしたり、緊急処置をするようですが、今回の長女の場合は薬での経過観察で済みました。
お世話になったアレルギー科のある小児科は、みわた小児科でした。
診療科目:小児科、アレルギー科、内科
お世話になった先生は、チョイ悪風ですがめちゃめちゃ優しいです。
診療時間の合間の昼休みの時間でも、お電話に出てくださり、夜間・休日でも携帯電話対応してくださる、ありがたい小児科です。(※2016年当時の情報です)
離乳食でのアナフィラキシーショックで感じた反省点
私は、安易な自分の勘違いや考えの甘さで、娘を命の危険にさらしてしまいました。
どういったところが、反省点だったか振り返ってみます。
- かかりつけ医が休診の時間に、初めて食べる食材をあげた。
- 緊急時の連絡先をきちんと把握していなかった。
- 救急車を呼ぶ判断ができなかった。
- アレルギーがあると分かっていたのに、きちんとした知識が無いまま、食材をあげてしまった。
緊急時なのに、基本動作・基本準備が全くできていませんでした。
また、誤った知識のまま、見切り発車で進めてしまったのも、大きな間違いでした。






本当にもうトラウマで、しばらくあげられませんでした。
しかし、完全除去は娘の将来のためにはなりません。
きちんと食べ物アレルギー対策をして、食べ物アレルギーのことを自分なりに調べ、先生と相談しながら、進めていくことにしました。
アナフィラキシーショックにならないために離乳食を食べさせる時の鉄則
アナフィラキシーの経験から、離乳食を進めるにあたり、大切なことは3つだと分かりました。
- 食物アレルギーに関する正しい知識を知ること
- 基本動作を徹底すること
- 緊急時には迅速な判断で対応すること
1. 新しい食材・アレルゲンは体調の良い時にあげる
今回のように、胃腸炎が治ったように見えても、まだ胃腸の調子が本調子ではなかったり、元気そうに見えても、内臓機能がまだ回復していない可能性があります。
アレルゲン食材だけでなく、新しい食材をあげる時は、体調が万全の時にあげてください。
また、アレルゲン食材は、自己判断で進めるのが難しいです。
私の場合は、ヨーグルト1/3さじは大丈夫だったことを踏まえて、食パンを16等分して、1個づつ増やしていきました。
卵だったら、卵白の数値より、卵黄の方が数値が低かったので、ビスケット1枚など、加工されていて、少量しか入っていないものから始めました。
これは、あくまで娘のケースです。
アレルゲンの進め方は、必ずかかりつけ医と相談しながら、その子に合わせた進め方で対応してください。
2. 病院の診療時間内にあげる
かかりつけ医の診療時間を把握し、症状が出てもすぐに診てもらえる時間に、あげてください。
『新しい食材は病院の開いてる午前中にあげるのがおすすめ』とよく聞きます。
朝ごはんの時間はまだ病院が開いてなかったり、昼ご飯だと病院は午前診療と午後診療の間の診療時間外で、電話がつながらなかったりします。
診療時間内でも急に症状が出た時でも駆け込めるよう、遅くとも11時までにはあげるなど、時間的な工夫をしましょう。
3. アレルギー表示食品27品目を頭に叩き込む
スーパーなどで売られている食品には、アレルギー表示があります。
食品表示法に基づいて表示されるアレルギーの『特定原材料は7品目』。
『特定原材料に準ずるものが、20品目』あります。
この27品目に該当する食品を、離乳食で初めてあげる時は、特に注意が必要ということです。
卵、乳、小麦、えび、かに ・・・患者数が多い
そば、落花生 ・・・重篤な症状にいたることが多い
魚介類・・・あわび、いか、いくら、さけ、さば
果物・・・キウイフルーツ、オレンジ、もも、りんご、バナナ
肉・・・牛肉、鶏肉、豚肉
野菜きのこ・・・大豆、まつたけ、やまいも
ナッツ類・・・くるみ、カシューナッツ
その他・・・ごま、ゼラチン
離乳食によく使われるりんごやバナナ、ゼリーに入っているゼラチンなどの、普段アレルギーがありそうだと思っていない食材も、27品目に入っていたりするので、注意が必要です。
4. 外食でも気を配る
離乳食が進んで、外食の機会が出てくると、大人の食べているものを欲しがったりします。
しかし、レストランの食事などでは、メニューにアレルギー表示が無かったり、目には見えない形でアレルゲンが入っている可能性があります。
ちょっと一口あげてみたら、実はピーナッツオイルがかかっていて、アレルギーの症状が出てしまうなど、想定外のトラブルにつながります。
- 初めての食材は、外食ではNG
- 食べさせる場合は、アレルゲンの有無を確認する
- 買ってきた惣菜やお土産でもらったものも、原材料・調味料を確認する。
原材料やアレルゲンの有無が確認できなかった場合は、泣かれても食べさせない勇気を持ってください。
5. お世話を頼む両親やお友達に協力してもらう
少し外出するため、親に預けたり、お友達にみてもらったり、自分以外の人に子供の面倒をみてもらうことがあると思います。
たとえおやつやご飯の時間と重ならなくても、アレルギーをもっている場合は、その旨を必ず伝えることが大事。
何か食べさせる場合は、こちらで準備しておき、それ以外のものはあげないようにお願いすると、お互い安心です。
離乳食でアナフィラキシーになったなど緊急時の対策
普段から気を付けていても、思わぬ事故などにより、アレルギーの症状が出てしまうかもしれません。
その時のために、準備は万全に。
病院受診セットをまとめておく
すぐ準備して病院へ行けるように、保険証などはまとめておくと、便利です。
- 母子手帳
- 保険証
- 子育て支援医療費受給資格証(自治体によって異なります)
- 病院の診察券
- アレルギー検査結果票
- お薬手帳
- 現金
病院によっては、クレジットカードが使えない場合もあるので、ある程度の現金を受診セットに入れておくと、安心です。
緊急連絡先は一覧にしておく
急な症状でパニックになると、私のようにどこに連絡して、何をすべきか判断できなくなってしまう場合もあります。
すぐに連絡先が確認でき、かけるべき順番も分かると、判断の道しるべになります。
- かかりつけ医の電話番号
- かかりつけ医の緊急時用電話番号(携帯電話の番号を教えていただける病院もあります)
- 各自治体の救急センターの電話番号
- 小児救急電話相談(#8000)
※緊急時は、救急車(119)の判断も!
出生届を出した時や、母親学級で自治体から配布される資料の中に、子供が急病の際の相談窓口や医療センターの連絡先などが書かれている資料が入ってます。
自治体のホームページにも、掲載されています。
また、多くの救急窓口は、小児科が休診している夜間・休日の時間対応となるため、昼間の緊急時にかけるべき連絡先も把握しておくと、安心です。
焦ってどこを探して、どこにかければいいかの判断がつかなくなるので、リストにしておき、すぐ見れるところに貼っておく、もしくはすぐ出せる場所に入れてることが大事です。
ゴールデンウィークやお盆休みなどは要注意
自宅にいる時は準備万端でも、外出時に非常事態になると、本当に情報がなくて困ります。
実家でうっかり親がアレルゲンの食べ物を与えてしまったなどのトラブルになった時に、連絡先が一切分からないというのは避けたいところです。
特に、ゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始は、どの病院も休診しています。
そういった場合は、各自治体で当番医を設定していたり、救急医療センターなどの大きな病院しか開いていない場合もあります。
(2019年の大型10連休の時は、自治体の月刊誌や、新聞など様々な媒体に長期休み中に診療する病院の情報が掲載されていました。)
遠方や実家に行く際は、早めに移動先の自治体のホームページや問い合わせ窓口に確認しておくと、安心ですね。
離乳食でのアナフィラキシーショック対策は日頃の心がけ次第
食物アレルギーは、間違った知識や思い込みで、思わぬ事故につながります。
しかし、基本動作を忘れなければ、そこまで怖がる必要もないのです。
- 必要以上に怖がる必要はないこと
- 初めての食材は11時前にあげるのがベスト
- 救急車を呼ぶのに迷う必要はない
私も、『ヨーグルトはお腹にやさしい』と思ってあげたら、乳アレルギーの娘にはやさしいどころか、命を脅かす食品でした。
こんなバカバカな失敗をした私が何を偉そうなことを言ってるんだと思われる方もいらっしゃると思いますが、それでも1人でも多く、同じ過ちで失敗しないで欲しいと願っています。
私のような失敗をなくすためにも、今一度正しい情報を知り、基本ルールを徹底して、緊急時の準備をしておくとことが大切です。
- 新しい食材・アレルギー食材は体調の良い時にあげる
- 病院の診療時間内にあげる
- アレルギー表示27品目に注意する
- 外食時も気を配る
- 両親・友人にお世話を頼む時にも注意する
- 病院受診セットをまとめておく
- 緊急連絡先リストを作っておく
- 大型連休は事前に開いてる病院を調べておく
たとえ食物アレルギーがあっても、食べることは美味しくて、楽しいことなんだという事が、子供に伝えられるといいなと、心から思います。
ここで紹介する離乳食に関するアレルギー対策は、あくまで個人の見解であり、お子様の健康を保証するものではありません。何か事故などがありましても、一切の責任は負いかねます。
お子様に何か違和感や症状などが表れた際には、アレルギーの重さや症状は人それぞれ違いますので、必ず専門の病院での診断を受け、先生とご相談しながら、対応していただくようお願いします。
我が家は、毎回泣くほどの便秘にも悩まされました。
赤ちゃんの座薬に頼らずに便秘解消ができた方法をご紹介しています。


また、離乳食を始めたら毎回大泣きする便秘になりました。
その時の対処法や治るまでの経過を記事にまとめています。
【1歳】便秘で毎回泣く!便秘を卒業する2歳5ヶ月までの奮闘記


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